入社
見慣れない機械は、たしか医療用の写真から血管の位置を抽出する
画像処理の装置らしかった。
その自慢話を聞いた私は入社が決まった。
借りたばかりの新しいオフィスに新人は集められた。
私はキャスターの付いた椅子に乗り、ごろごろと転がして遊んで、
他の大学生に冷ややかな目で見られた。
私は開発二課という科学技術系の仕事をする部署に入った。
科学技術系と書くと偉そうだけれど、要するにプログラムの仕事だった。
この当時パソコンはなかったので机の上には何もなかった。
私は、先輩に連れられていって、川崎の方にあるNECの開発室へ向かった。
つぎ
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