ぎょうざ

ある日、1ヶ月だけの仕事が私とKさんのもとにきた。
マルチ16という三菱のパソコンでBASICの仕事だった。
会社には無いと思っていたパソコンが棚の上にのっていた。
200万円するそのパソコンはとても大きかった。
仕事の内容はスーパーコンピューターで計算した空気の流れを画面に表示するものだった。
私は得意のBASICを駆使してカラーのかっこいい表示プログラムを作った。
それをKさんのファイル入出力プログラムと合体して一週間ぐらいで完成した。
画面のかっこよさと手際の良さで、私たちの評判は社内に広まった。
私とKさんは意気揚々として、完成したプログラムを持って三菱総合研究所のある大船に来た。
あまりに高揚していた私たち二人は、打ち合わせがあるのも忘れて大船駅前の
中華そば屋でギョウザを食べてしまった。
三菱のひとはプログラムの出来をみて大喜びしてくれたが、
得意げに説明していた私たちの口臭は部屋中に広がっていった。

つぎ

もどる