エプソン対応

電脳学園3・トップをねらえが売れると同時に一部のマシンで動作しない
という問い合わせがきた。
機種はエプソンのPCー286シリーズの一部の機種だった。
当時のエプソンのパソコンはNEC製のPC9801シリーズを
真似て作った互換機であった。
PC9801は普及台数から標準的なパソコンになりつつあった。
そこへエプソンからPC9801のソフトが動作するパソコンが出たことで
買う側としては選択肢が増える。
しかも、より高速でより安く買えるとなれば、応援もしたくなるものである。
他のソフトメーカーではエプソン製の互換機は「未対応」としてしまうことが
ほとんどであった。

私はその時点ではガイナックスで唯一のPC9801プログラマだったので
どうしても対応したくなり、エプソンの会社に電話を入れて
直接機械を見にいくことにした。

エプソンのショールームは東京の初台にあった。
ショールームは照明の凝ったモダンなところであった。

これがガイナックスのチェックセンター通いの第一号であった。
私一人でしかもゲームソフトだったので、ちょっと肩身が狭い気がしたが
それでもパソコンの売り上げくらいには貢献するだろうと思った。

私はフロッピーにすべての開発環境をもっていたので
その場で問題の機種のパソコンに触れて原因を突き止めることが出来た。
この後、エプソンへ出向いて動作チェックをすることとなった。
これを契機にしてガイナックスのPC9801対応ソフトには
PC9801の上にPCー286の文字が先に付くことになった。
お店にPC9801対応ソフトの棚があれば確認してもらえると思う。

現在ではガイナックスが出向くチェックセンターは
エプソン、富士通、日本IBM、ソフトバンクとなる。
NECがないのはソフトバンクでチェックを肩代わりしているからである。
チェックセンターを解放しているメーカーのユーザーは
安心というわけである。

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