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『デバッグ上の注意』


ここに挙げる文章は『デバッグ上の注意』というテキストです。
10年以上も前、ソフトウェアの開発中に私が作ったものです。
A4の紙、一枚に印刷できるように書いてあります。
誰にでもすぐに読めるところが、この説明文の最大の特徴です。

ソフトウェア開発にはデバッグという仕事があります。
デバッグとは、コンピューターソフトのベータ版(例えば開発中のゲームソフト)をテストプレイして、
バグ(ソフト上の間違い)を出してもらう作業です。
その作業者に最初に読んでもらう説明が、この紙に印刷した『デバッグ上の注意』でした。

当時、ソフトウェア開発の教科書を読みながら研究し、また、
開発現場の経験から必要に迫られて作った文章ですので、
どのソフト開発現場でも役に立つと思います。(紙、一枚にまとめるのに苦心しました)

『デバッグ上の注意』は大変参考になりますので、ここに公開することにしました。


"DEBUG.TXT" 作成年月日 1994年8月12日、18:32:44

その内容↓


デバッグ上の注意

1.デバッグする時は、必ずバグ表を手元に置きます。

2.バグが発生した場合は、必ずバグ表に書き込みます。
  (バグはバグ表を元にして修正されます)

3.バグが発生しても、直接プログラマのところに行かないで下さい。
  (プログラマのところには、数人のデバッグ者のバグ表があり
   修正が順番待ちになることが、ほとんどです)

4.バグ表を、清書しないで下さい。
  (まとめると、バグが解らなくなることがあります、念のため)


細かい注意点

1.どんな、小さなバグでも書き込む。どんな、大きなバグでも書き込む。

2.おかしいと思ったら、どんな事でもバグと思え。

3.バグを出すように実行にする。
  (人はシステムに慣れてしまうと、本能的にバグを出さなくなります)

4.機種によって、出るバグと出ないバグがある。


その他

1.直らない、バグもあります。
 (使いづらさ、仕様で決定した物、ハードウェアの仕様等)

2.デバッグは、大変な作業です。計画的に行って下さい。


デバッグはいつ終了するのか

  バグの発生率は、開始日直後から上昇して、ある時期頂点に達して、それから
 下降を始めます。発生率が横這い状態になった時点で、デバッグを完了させるのが
 良いとされています。


バグの哲学

 バグの無いシステムは、この世に存在しない。


      −以上−


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