学校

私が初めてふれたパソコンはPC8001というNEC製のパソコンだった。
40台のPC8001が並んだ電気科の3階の教室はいつも学生でいっぱいだった。
画面は宇宙戦艦ヤマトゲームとスタートレックゲームで二分していた。
当時、ゲームソフトはただ同然でコピーされていた。
先生は学生がコンピュータに親しめるようにとゲームを容認していた。
私はデザイン科の学生だったが、電気科にはよく入り浸っていたので、
すぐにパソコンにふれることができた。
でも、わたしにとってはヤマトゲームもトレックゲームもあまり面白くなかった。
PC8001にはBASICという、コンピュータ言語が内蔵されていた。
キーボードからPRINTと打つと文字が表示された。
WIDTHとうつと文字の大きさが変わった。
LINEと打つと画面に線をひいたりできた。
私はすぐにPC8001に夢中になった。
緑色しか出ないその画面の前で夢中になった。
夏休み、一週間パソコン講座というのができて、私はすぐに飛びついた。
一通り講義が終わると夜の7時までPCに向かってBASICを打ち続けた。
パソコンを使っているとあっという間に時間が過ぎてしまうのには驚いた。
緑色の画面を見すぎたせいで、帰りの星空がピンク色に見えた。


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